第23話:支えてくれる存在に気づけた日
――「あの人のひと言で、少し呼吸がしやすくなった。」
🕊前回のお話
「全部を話せなくても、少しだけ吐き出すだけで心が軽くなった」──そんな経験を綴った回でした。
◆孤独だと思っていた。けど、そうじゃなかった。
うつ病の真っ只中にいた頃。
頭の中はずっとぐるぐるしていて、心の中は空っぽで、
誰とも関わりたくないのに、誰かに助けてほしい気持ちもあって、
でもそれをうまく言葉にすることも、誰かに伝えることもできなかった。
「誰も自分のことなんてわかってくれない」
「このまま一人で消えても、誰にも気づかれないんじゃないか」
そんなふうに思っていた時期が、確かにありました。
でも、ある日ふとした瞬間に気づいたんです。
「あれ、もしかして……ずっと支えてくれていたのかも」って。
◆たった一言が、心に残り続ける
「無理しないでね」
「そばにいるよ」
「元気ないけど、大丈夫?」
何気ない言葉だった。
そこまで仲良くない人に言われた言葉です。
本当にそれだけだったけど、不思議と今でも覚えてる。
あのとき、ちゃんと届いていたんだと思います。
その人がかけてくれた言葉が、
私の心の奥で、ずっと残り続けていたから。
◆支えは「目に見えない形」であることも多い
毎日連絡をくれるわけでもなく、
四六時中そばにいるわけでもない。
それでも、
「この人がここにいてくれるだけで、どこか安心できる」
そんな存在が、私にとっての“支えてくれる人”でした。
気づくのはいつも後になってから。
でも、それでいいのかもしれません。
大事なのは、気づいた「今この瞬間」だと思います。
◆うつ病の中でも「人の温かさ」に触れることはある
私はずっと、「うつ病になると、全部を失う」と思っていました。
でも実際は違いました。
むしろ、うつになったからこそ見えたものがあったんです。
それは「人の優しさ」でした。
笑顔を見せてくれた友達、
そっと隣にいてくれた家族、
何も聞かずにお茶を淹れてくれたあの人。
🌿そのひとつひとつが、私を生かしてくれていた。
支えてくれる存在は、思ったよりも、すぐ近くにいたのかもしれません。
◆感謝は、時間をかけて湧いてくる
当時は、感謝なんてできなかった。
むしろ「自分ばっかりがしんどい」と思っていたし、
周りにあたってしまったこともありました。
でも時間が経って、少しずつ気持ちが整ってくると、
ようやく「ありがとう」が心の中に浮かんでくる。
そんなふうに、感謝って、後からじわじわ湧いてくるものなんだと思います。
言葉にしなくてもいい。
思い出すたびに心が温かくなるなら、それで十分だと思うようになりました。
◆まとめ:ひとりじゃないと思えることが、明日を生きる力になる
「支えてくれる存在」に気づけたことで、
私は少しずつ、「自分の人生をまた歩いてみよう」と思えるようになりました。
支えられていたからこそ、今こうしてこの文章を書けている。
そう思うと、不思議と勇気が湧いてくるんです。
🌸今この文章を読んでくれているあなたにも、
必ずどこかに「支えてくれる存在」がいるはずです。
それは家族かもしれないし、友人かもしれないし、
もしかしたら、このブログの一文かもしれません。
📝次回予告
次回は、
「ほんの少し自分に優しくできた日」
について綴っていきます。
一歩ずつでも、自分を責める日が減っていった体験をお話しします。